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since2009/11/9…… 三日坊主になりながらも、何か書いています。
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今日はね、窒素の話をしていくよ。

名前の由来は英語名nitrogenは硝酸カリウムを意味するnitreから命名されてます。
ちなみに日本語の「窒素」は、ドイツ語のstickstoff(窒息する物質)から名付けられたんだとか。

ニトロって言われると、そういえば微生物で、窒素をあれこれする微生物の名前にはニトロ~って名前が付けられるものが多いと聞いた気がします。
窒素固定とか……(あとでもうちょっと詳しく話しますが、空気中の窒素をアンモニア的なああいうのに変える微生物とかですね。有名なところだと、やせた土地を再生するためにそういう微生物が根っこで寄生する?豆的なものを育てるという話にも出てくる微生物たちがそうだったと思います)

人間の体内では、アミノ酸やたんぱく質、核酸の塩基などの構成元素として重要です。
このNがいるおかげで水素結合を形成して、私たちのDNAは二重らせんを作ったりしています。

さて窒素君。結構反応性の高いものとしてはアジ化化合物系統が良く名前が挙がる気がします。
爆発的に反応するやつですね。
アジ化ナトリウムは、一時はその爆発的な熱分解により、車のエアバッグに使われてた時代もありました。現在は使われてないそうです。

さて、希ガスのことを不活性ガスと呼ぶこともあるという言論もありますが、
皆さんご存じの通り、窒素もかなり不活性なので、不活性ガスとして金属工業や実験室で用いられています。
液体窒素はまあ、空気から得られますからね……
空気の成分の大半は窒素なので、そういう用途で使うには便利なんですよね。
窒素でダメな場合はアルゴンを使います。これに関してはアルゴンの時に語るかな……

さて、液体空気を得る方法はいろいろありますが、
希ガスは液体空気から大半が得られています。
当時新しい液体空気を得る方法が開発されたりしたのも大きかったと聞きます。
(ちょうど、今から130年くらい前の話になるでしょうか?)

液体窒素は、安価な寒剤として、よく使われていますよね。
有名な話だと、とにかくなんでも液体窒素に入れてみるとか。
液体窒素マシュマロ、おいしいですよ。(食べた瞬間ぱりっ、噛むとふわー)

超伝導の世界だと、液体窒素の壁というか、液体ヘリウムで超伝導は発見されてますが、
液体窒素で超伝導を示す物質を探すのが結構重要だったりとかなんとか。
液体ヘリウム高いんじゃ……
常温超伝導がどれほどの夢かがわかると思いますが……

さて、N2Oは笑気ガスと呼ばれ、麻酔にも使われます。
NとOの化合物はいろいろありますが、NOxと呼ばれて酸性雨の原因の一つにもなる……とかありませんでしたっけ?
高校化学では、化学平衡の実験で見やすい分子の一例にNとOの化合物があった気がします。
(圧力をかけると色が変化するみたいな)
ちょっと高校化学から遠ざかって久しいので記憶があやふやですが……

さて、最初の方に言った窒素固定の話。
工業的に窒素固定が行えるようになったのは、最終的にはハーバーボッシュ法(それ以前もいろいろ方法は考えられてましたが)が有名です。
ノーベル賞ももらっているらしいです。
空気中のN2からアンモニアNH3をつくるこれは、アンモニアが肥料になって、小麦がたくさん作れるようになるということから「空気からパンをつくる」といわれたそう。

最近諸事情で、希ガスの歴史と、化学史と、世界史をまとめてたんですけど、
ハーバーボッシュ法が工業的に稼働し始めたのは希ガスの発見より後らしいです。
私の中の化学史が希ガスの発見を中心に回っているのがよくわかりますね!!
いや、でもそれだけあの時代は激動の時代だったんですよ。
元素もいっぱい発見されているし……
世界史的には、ハーバーボッシュ法が工業的に稼働した翌年に第一次世界大戦が起きてるそうです。

世界史と化学史の話をもうちょっとすると、
希ガスの発見~ラムゼーさんのノーベル賞受賞(この年はレイリーさんも希ガス関連でノーベル賞を取っています。希ガスがノーベル賞2個取ってることになります)した年は、
日本で言うと日清戦争がと日露戦争の間だそうです。
あの辺の時代は戦争が多くての……
この10年間について、日本史のかなり詳しい本を参照したところ、
ちょうど産業革命が日本で起きていた時代だそうです。
当時は、それ以前は糸を買ってきて染めてもらって、それを織って普段着にしてたのですが、
これが工業的に生産された服を着るようになる転換期だったそうです。(ちょっと間違えてるかも)

さて、ハーバーボッシュ法といえば、高校化学ではもう一つ窒素にまつわる合成法、有名なのありますよね?
そうです、オストワルト法です。
これは硝酸の工業的な製造法です。
やっぱり多分あの辺の時代に、窒素の反応を工業的に起こせるだけの技術が開発されてた時代だったんじゃないでしょうか?

硝酸といえば、塩酸との混酸で王水になるのは有名な話。
金すら溶かす例のあれです。
あとは濃硝酸を皮膚に付けてしまうと、キサントプロテイン反応という、皮膚が黄変する反応もあったかな?
私も一回やらかして、「おお、これが……」ってなった覚えがあります。

有機化学上でのニトロ化合物は、爆発性だったり反応性がとにかくすごいですよね。
お気に入りはピクリン酸です。かわいいね。

イメージ的にのはなしになってしまいますが、
窒素の入った低分子有機化合物の一部はちょっと臭う気がします。これは私の感覚です。
例外は多そう。

さて、ここまで語りましたが、ふと思いだしたのがポルフィリン環。
葉緑体の成分で、葉っぱの緑色を着色している元素です(環の中にMgイオンが配位しています)。
これも昨日炭素で語った共役に関係が少しあります。
(私はこの研究もやってみたかった……!!)

……

さて、窒素についてはこんな感じ。
今回はちょっと長文になった(当社比)。

明日は窒素と仲のいい?酸素です!

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